幾霜::残日録::2005/06/13 (月)

 

移籍先を探しています。系統樹推定法やメタバーコーディング法などに詳しい研究者を探している方がおられましたらご一報下さい。

2005/06/13 (月)

今週のセミナー - 23:58:25

 C研のダメなところとU研の良いところがすごくよく見えるセミナーであった。

 トップバッターは我がC研のN君。某論文の紹介。だったんですが・・・全然読めてない。アブストさえも理解できていない。いかなる論理をもって何を明らかにしたのかを全く理解していない。とりあえず、アブストと図表を目を皿のようにして寝る間も惜しんで読めよな。U先生がこれはC研全体の問題だとかおっしゃっていたが、まぁ確かにそれもないではないけど今回の場合は来てない、読んでない、理解しようとしてないの無い無いづくしのオンパレードだったのでC研民にはどうしようもなかったと思う。それにU研と違ってC研は自力でなんとかできなければ意味が無いと考えている集団ですし。U研のような助け合い精神など微塵もない。それがC研の欠点であると同時に良いところなので、それを否定したらC研はC研じゃなくなるんですよね。多分U先生にはそんなの理解できないでしょうけど。C研は教える場所でも教わる場所でもなく、それぞれがそれぞれの気分の赴くまま好きなことを探求する場所ですから。

 次はU研の、えーと、名前忘れた。卒研計画発表。モデルによる予測に基づいてこういうことをやってみます話。モデルは良く考えている。ま、所詮考えただけの机上の空論でしかないことをよくよくわきまえておく必要はあるでしょうけど、あれだけのことを自力でできたのなら放っといても問題無いでしょう。自力かどうか知りませんが。

 それはさておき、学名とか文献の引用とかの体裁をなんとかしてもらいたい。書体とか頭文字とか。属名や科名はしかるべく扱って欲しい。誰も何も言わないけど、論文読んでまねすればいいだけなのに。コピーにもなれない人間がオリジナルになるなんてことはないんやけどなぁ。

う、うぜぇ・・・ - 07:31:03

 某MLに無駄に長いメールがどかどかと。うっざー。内容はいつも通りの見るに堪えないものやし。「したい」とか「すべき」論ばかりで「どう」やるかという話が無い、つまるところ机上の空論を無駄に長い文体で送ってこられても誰も読まんっつーの。プッシュ型メディアで個人が自由に情報発信できるのは問題やなぁ。あーもう、自サイト作ってやれよな。今はいくらでもblogサービスがあるんやから。

Clock or No-Clock? - 07:12:18

 系統学では、分子進化一定の検証方法として分子進化一定を仮定した最尤系統推定と仮定しない最尤系統推定の尤度を尤度比検定によって比較し、有意な差があれば分子進化一定を棄却するという方法が採られている。でもその論理って本当に成り立つのだろうか?

 分子進化一定を仮定しない最尤系統推定で選ばれた系統樹は、その分子進化モデルの下で「分子進化において」最節約的だということだ。分子進化一定を仮定した最尤系統推定で選ばれた系統樹は、「分子進化速度の変化において」最節約的な系統樹の中で「分子進化において」最節約的だということだ。また、もしかすると「分子進化速度の変化において」も「分子進化において」も最節約的でなくとも、その両方を総合して考慮すれば最節約的な系統樹が別にあるかもしれない。

 「分子進化における最節約性」は「分子進化速度の変化における最節約性」より優先されるべきだということが証明されているなら、無論上記の尤度比検定によって分子進化が一定でないことを証明できる。しかしそれは証明されていないんじゃないだろうか。

 ここで、分子進化が一定でない場合にも時間軸を系統樹に入れる方法がある。そのアプローチは大きく分けて2通りある。1つは「分子進化速度の変化における最節約性」に基づくアプローチであり、つまるところ変化の回数を最小化する方法である(Local Clock)。もう1つは「分子進化速度の一定性における最節約性」に基づくアプローチであり、この方法は分子進化速度の変動幅を最小化する(Rate Smoothing)。

 現在のところ、まだこれらの事象は別個に扱われている感があるが、実はこれらの事象はもっと統一的に理解できるはずだと思う。というのも、Local Clockモデルはまさに「分子進化速度の変化における最節約性」と「分子進化における最節約性」を総合して考慮することに他ならないからだ。ただ、樹形探索時に用いる分子進化モデルに統合することで樹形選択と分子進化モデル選択にも「分子進化速度の変化における最節約性」をもたらす必要がある。現状では分子進化速度はただ1つか枝数分かの2択しかしていないため、分子進化モデルの選択を誤りかねない。ひいては樹形選択で誤ってしまうということが起こりうる。その中間を考慮する必要があるということだ。問題は「分子進化速度の変化における最節約性」と「分子進化における最節約性」にどのようにして比較互換性をもたらすかにある。基本的には分子進化速度の数を1つずつ増やしていって尤度とAICを計算するということになるだろうが、系統樹のどこで変化するのか考えるとかなり大変なことになりそうだ。分岐点で変化するとも限らないし。

 rRNA二次構造やアミノ酸置換、タンパク構造変化まで考慮に入れた分子進化モデルの開発と共に、このような速度変化も考慮に入れたモデル選択の枠組みを考えていく必要があるだろう。それができれば、Systematic BiologyMolecular Biology and Evolution辺りでも余裕で載るだろうなぁ。既にそういうことを考えている人はいそうな気がする。

 「分子進化速度の一定性における最節約性」、つまりRate Smoothingについてだが、これはさほど考慮する必要は無い、もしくは考慮できないように思う。というのも、分子進化速度がいきなりドーンと変わるような場合は理論上かなりありそうに思えるし、そもそも変動幅をどのようにすればモデルに組み込めるのか私には想像もつかない−と言うか、不可能に思える−からだ。変動幅は「量」なのでパラメータ「数」に数えられないではないか、と。ただ、この辺は数理統計学で既に考えられていそうなことなので、もしかするとなんとかなるのかもしれない。

追記 - 08:00:19
 しかし、突き詰めていくと、「分子進化モデルの変化」まで考えなくてはならなくなってきそうやな。

追記 - 08:21:31
 尤度ベース(でなくてもいいかもしれませんが)の相対速度テストである程度どこで分子進化速度が変化しているかを絞り込めばかなり計算は楽になりそうな気がしてきた。

ホリエモンは英語配列キーボード版VAIOノートTRを使っている - 05:26:08

 ぬおーーー! なんか親近感湧いてきた。私のTRはお金が無くて英語配列になってませんけどね(爆死)。

同義置換と非同義置換 - 05:13:21

 今更ながらPAMLに同義置換率と非同義置換率を求めるyn00なんてプログラムが入っていることに気付いた。

Blue Fire on the Sky - 03:56:26

Blue Fire

 青く輝く暁の空。東方は蒼く燃えている。

 夜明けが早いなと思ったら、そう言えばもうすぐ夏至であることに気付いた。そうか、もうそんな季節か。季節の移ろいをこんなにも速く感じるなんて10年前には想像もつかなかった。人間にとって時間は相対的なもので、10歳なら1年は1/10だけど20歳なら1/20になる。つまり時間を2倍速く感じるんだと聴いたことがある。一体誰に聴いたのか、はたまた何かの本で読んだのだろうか。しかし上手いこと言ったものだ。

ヒョウモントカゲモドキの帰還 - 03:44:30

 K研のT君が飼育していたヒョウモントカゲモドキが、昨年から行方不明だったのですが、先ほど突如として現れたそうです。研究室内で半年間もおそらく飲まず食わずだったと思われるのですが、痩せていただけで元気だとか。流石爬虫類。

iAUDIO U2 firmware v1.35 - 02:14:24

 05/30に英語版と中国語版が出ていたようです。日本語版はまだ。しかし未だにm3uプレイリストがサポートされないんですね。ADPCMの再生とか可変速再生なんてどうでもいいからm3uプレイリストをさっさとサポートしてくれ。PCの音楽ファイルフォルダを転送するだけでm3u認識して選択して再生、ってのができないとシャレにならん。っつーかできるのが当然と思っていたのでできないと知ってショックでした。そしてそれができるフラッシュメモリ型オーディオプレーヤが市場にほとんど存在しないことを知ってなおショックでした。理解不能だ。何でみんなそんな欠陥商品を平然と買えるの? おかげで私のU2はすっかり録音専用機に成り下がってます。それでも十分使えるのはなかなかすごいが。内蔵マイクが案外良いし。

primer発注 - 01:18:45

 悩んだ末に10本発注。これでまた1万円強消費してしまったことに。まぁシーケンサのレーザー発振子みたいな100万円近い消費に比べれば少ないっちゃー少ないんですが。ハズレが少ないと良いなぁ。

Go to front page
Comments and TrackBacks
Web antenna system: NaTsuMi
Search in this site
Access Count : 1986759