幾霜::残日録::2008/12/23 (火)

 

移籍先を探しています。系統樹推定法やメタバーコーディング法などに詳しい研究者を探している方がおられましたらご一報下さい。

2008/12/23 (火)

[Science] Selective aluminum passivation for targeted immobilization of single DNA polymerase molecules in zero-mode waveguide nanostructures - 22:03:57

 最後に第0位 (1位を超越している何か) 。次々世代DNAシーケンサの根幹をなすテクノロジについての論文。将来的に世界を変えうる可能性を持っていると言えるのは今年であればまずこれでしょう。内容はよく分かりませんけど (ヲイ) 。

追記 - 2009/01/23 22:04:18
 以下の論文の方が次々世代シーケンシングテクノロジ論文としては適切かもしれない。
Real-Time DNA Sequencing from Single Polymerase Molecules
もちろん、前述の論文も引用されていますが、だいぶわかりやすい。

[Science] Simultaneous Inference in General Parametric Models - 21:37:42

 Rのmultcompパッケージによる多重比較に関する論文。

[Science] Resolving Arthropod Phylogeny: Exploring Phylogenetic Signal within 41 kb of Protein-Coding Nuclear Gene Sequence - 21:34:00

 節足動物の大系統論文。使っているデータがちゃんとOrthologousなのか心配ですが色々頑張っている。

[Science] Broad phylogenomic sampling improves resolution of the animal tree of life - 21:25:45

 動物界の大系統論文。色々ツッコミたいところはありますけど、それでも従来の研究より高解像度の結果 (それが「良い」かどうかは別) を出しているのは確かだと言えるでしょう。

[Science] Estimating species trees using multiple-allele DNA sequence data - 21:05:37

 BESTによるSpecies-Treeの推定を複数の対立遺伝子を考慮したものへと拡張する方法についての論文。

[Science] Phylogenetic Uncertainty and Molecular Clock Calibrations: A case study of legless lizards (Pygopodidae, Gekkota) - 20:35:11

 つい先日紹介した論文。これも「先を越された」系。

[Science] Testing Congruence in Phylogenomic Analysis - 20:32:27

 内容は04/18の記事を参照。「先を越された」という意味で個人的に重要な論文。これでツッコミどころが無かったら感心しつつ凹んでいたところ。多遺伝子座データの解析にも関連する。

[Science] Does Choice in Model Selection Affect Maximum Likelihood Analysis? - 20:22:45

 モデル選択規準はどれでもいいけど、置換モデルの選択をやらなくていい、ってこたないよという論文。

[Science] Hemiplasy: A New Term in the Lexicon of Phylogenetics - 20:11:13

 Aviseによる新語の提唱論文。要するにIncomplete Lineage Sortingによって生じる共有派生形質のこと、でいいのかね。

 Species-Tree Methodsは、このHemiplasy問題を解決するものと考えられる。しかし、Paralogyによる問題は解決できない (はずだ) 。

 などと用いることができるというわけかな。確かにあると便利かも。

[Science] Comparison of Methods for Species-Tree Inference in the Sawfly Genus Neodiprion (Hymenoptera: Diprionidae) - 19:46:33

 「種の系統樹」を推定する4つの方法を比較検討した論文。現状で用いることができる「Species-Tree Methods」がまとめられている。ただ、彼らの開発したCMCなるものがいまいちよくわからないのが難点。この説明だけでは具体的にどういう処理をしているのか分からない気がするのは気のせいか?

 今年のSyst.Biol.には他にもいくつかのSpecies-Tree Methods検討論文が載っている。多遺伝子座データを統合する方法に関しては今年はずいぶん多かった印象。今後はSpecies-Tree MethodsとSuperTree Methods (多数の系統樹を統合して大系統を推定する方法) とSuperMatrix Methods (多数のデータ行列を統合して解析する方法) の統合が進んでいくでしょう。結局目指しているものは同じですしね。

[Science] A Phylogenomic Study of Birds Reveals Their Evolutionary History - 17:46:34

 第1位はこれ。鳥の大系統。Taxon Samplingが十分なクオリティに達している (まぁ鳥の専門家からすれば色々あるだろうけど) 大系統研究で、かつこれまで大系統が十分なクオリティで明らかになっていなかった分類群でなされたことを評価しました。

[Science] 幾霜 Paper of the Year - 17:37:45

 というわけで本日のエントリにて順次挙げていきます。

[Life] Syst.Biol.に目を通す - 17:27:34

 今年のSyst.Biol.を振り返っています。いきなり最初の号から重要論文続出なんですけど。

 MBEとかMPEとかJMEとかBMC Evol.Biol.とかAm.Nat.とかEvolutionとかBioinformaticsとか他にも重要ジャーナルはありますが年末に振り返るにも多すぎるのでスルー。ま、最近は (いやかなり以前からか) Syst.Biol.以外は全件見ることをしなくなりました。もちろん検索してヒットしたら見ますが、多すぎてきりがない。Syst.Biol.くらいが限界。もっと生態学寄りな人は1つだけ選ぶならAm.Nat.かEvolutionのどちらかをお薦めしますね。人によってはMol.Ecol.の方が良いかもしれません。生態学を足場とするならEcologyやEcol.Lett.も良いんじゃないでしょうか。あまり手を広げすぎると挫折して続かなくなるのでやめた方が良いと思います。続けられるのならいいんですが。

 しかし未だにEvolutionとEcologyはタイトル大文字なんですね。タイトルの流し読みがし辛くてかなわん。組版が読みやすいのはMol.Ecol.とAm.Nat.とSyst.Biol.かな。Mol.Ecol.とSyst.Biol.はPalatino、Am.Nat.はTimesを使っているようです。

[Life] 相変わらず攻めるなぁー - 15:54:30

 さすがMYTKセソセイ。支障師匠と呼ばせてくだせぇ(笑)。

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