幾霜::残日録::2008/12/13 (土)

 

移籍先を探しています。系統樹推定法やメタバーコーディング法などに詳しい研究者を探している方がおられましたらご一報下さい。

2008/12/13 (土)

[Science] Conversion from Multistate Data to Binary Data - 15:21:15

 012345…データを01データに変換することはできないだろうか。

0
1
2
00
10
01
にするだけでいいか? と思ったのですが、これだと1サイトが形質状態数−1サイトになる。3形質状態なら2サイトで10形質状態なら9サイトだ。この場合、全サイトの重みが等しい状況では3形質状態のサイトより10形質状態のサイトの方がその分重く評価されないか? というのが悩みのタネ。そんなことないような気もする。最節約法では大丈夫なんですけどねぇ。

追記 - 20:35:29
 大丈夫な気がする。サイトの重みは確かに重くなってしまうが、分割されたサイト内の変異量が減るので結局相殺されるはずだ。

追記 - 2008/12/14 00:36:32
 あかんやん。上記の方法ではスコアが変わる。何ボケとんのやおれは。そんなことにコードを書いて出力結果を得て解析して初めて気付く自分にOTZ。

[Science] タンパクコード領域の第3コドン位置の除去は本当に有効か - 13:11:16

 コドン位置ごとに異なる置換速度・置換モデルを当てはめてない場合には、第1・第2コドン位置の情報の評価(=進化モデルのパラメータ値)が第3コドン位置の情報によって引っ張られてしまうため、第3コドン位置を除去することは有効になり得る。もちろん、第3コドン位置の変異が大して多くない場合には効果は薄い(ただし速度差が大きければ有効なこともある)が、第3コドン位置の変異が飽和しているようなデータでは大いに有効だろう。

 しかし、コドン位置ごとに異なる置換速度または置換モデルを当てはめたり、同義・非同義置換を区別するコドン置換モデルを当てはめた場合には第3コドン位置の除去は大きな意味を持たないことが多いだろう。常に無効とは言わないが、適切なモデルを当てはめても第3コドン位置があるとどうしようもないデータでは第3コドン位置を削除するのではなくアミノ酸配列の解析を行うことを強くお薦めする。

 モデルを工夫しても第3コドン位置を除去した方が良い=アミノ酸配列に翻訳して解析した方が良いかどうかはどうやって判断すればいいだろうか。第3コドン位置を除去した方が良いデータでは、第1・第2コドン位置の変異も非常に多く、実際には置換速度は大きく異なるにもかかわらず、第3コドン位置の変異が飽和しているために置換速度の差は小さく見えることが多いと私は考えている。そのため、変異の激しいタンパクコード領域配列データにコドン位置ごとに異なる置換モデルを適用するProportional Modelを当てはめたときに、コドン位置ごとの置換速度パラメータのばらつきが少なかったりする。ただこれはどの程度少なければ除去すると良いかを判断するのは難しい。

 もっと簡単な方法としては、変異の激しいタンパクコード領域配列データにおいて、コドン位置ごとに異なる置換モデルを適用するSeparate ModelとSingle ModelをAICなどで比較してSingle Modelが選ばれるようなら第3コドン位置を除去したりアミノ酸に翻訳したりして解析を行う、というものが考えられるだろう。妥当性がどの程度かはわからないが、この方法では誰でも判断がしやすいだろう。

 以上、コドン位置ごとの違いについて述べたが、もちろん遺伝子座ごとの違いに関しても同じことが言える。つまり、モデルで工夫すれば解決できることは多い、ということだ。そして、猛烈に変異が激しい場合が例外である、という点も同様。どの程度速ければ除去またはアミノ酸への翻訳を行うべきか、という点も、その遺伝子座におけるSeparate ModelとSingle Modelの比較が使えるのではないかと思います。Incongruenceの検出も有効なんじゃないでしょうか。

 というのがSystBiol最新号の節足動物系統論文を斜め読みしながら思ったこと。妥当性に関しては全く当てにならないので注意。しかし、データによってすべき対処は異なるのに、どういう状況でどうやってどうすればいいか、というソリューションの提示は不十分なんじゃないだろうか。これだけのデータがあればもっと色々言えそうな気がする。

[Software] PDFでかっこいいプレゼン用表示を行うソフトウェアKeyJnote - 09:34:43

 リンク先(公式サイト)がエラーになってますが、KeyJnote-0.10.2.tar.gzとかKeyJnote-0.10.2-win32.zipなどのファイル名で検索すればダウンロードできるところが見つかると思います。

 TabキーでMacOS Xのexposéみたいな表示ができて、他のスライドに移動できる。切り替えのトランジションも色々あって、設定ファイルを用意することで指定できます。とりあえず手元のPDFを表示させてみてTabを押してみて下さい。やっていることはシンプルなんですが動作がとてもかっこいいです。

[Software] プレゼンスライド作成用ソフトウェア - 09:03:02

 このところStarSuiteかOpenOffice.orgを用いてプレゼン用のPDFを作成していますが、数式がヘボくて耐えられないことがあり、LaTeXベースのものを探してみました。

Beamer
 すばらしいサンプルと教育的なマニュアルが揃ったプレゼンスライド用クラス&スタイルファイル。色々と凝ったこともできそうでよさげです。とりあえずサンプルのPDFを見てみるべし。

powerdot
 こちらもプレゼンスライド用のクラスとスタイル。以前LaTeXによるプレゼンで主流だったprosperの後継らしい。こちらもググってサンプルを探すとかなかなかかっこいいスライドが見つかる。

 プレゼン用のPDFを作成する際に問題となるのは、少しずつ項目を表示していくようなスライドを作成するにはそれぞれを別スライドに分けてやらなくてはならないことです。上記の2つはこの点に関するサポートもあり、かつトーク中や質疑において容易にスライド間の移動ができるようにしおりやスライド中へのリンク付き目次の埋め込みが可能なようです。KeyJnoteなどのプレゼン用PDFビューワを用いて表示させることでさらにかっこいいプレゼンができそうです。

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